『このコラムを通して』
葉山:
この対談はコラムとしてテキストとして掲載します。
写真館の方はもちろんのこと、一般の方がコラムを見られることもあります。
これからお二人の思いを事業としてやり続けるにはどうするか、また、お客様に伝えたいメッセージがあればお願いします。
岡垣 吉典氏
(八重垣写真館・クウカホームスタジオ http://www.8st.jp)
クウカホームスタジオを建てるときに、最初にメッセージは考えていました。
八重垣写真館も80周年を迎え、多くのお客様が来店いただいた壮大な歴史があり繋がっています。
将来、自分がしたことをお客様に褒めていただくことで、自分が存在している意味があると思ってやってきました。
流行(時代が求めるスタイル)も意識すべきですが、写真の館(やかた)と書いて写真館であると思います。
時の繋ぎ手や門番のように、大前提としてずっとその場所にあるということが大事だと思います。
出雲大社は人と人の気持ちを繋ぎ、家族が生まれる想いが集まる場所であるため、人の歴史を刻む継承者という意識があります。
この大前提のもとで、新しい流れを取り込んだサービスを行いたいと思います。
今、一番考えていることは自分の子どもも含めて、写真館というのはこんなにも楽しいところだと言うことを小学生や中学生に浸透して、将来、就職するときに写真館やスタジオなど人の気持ちを繋ぐ仕事をしたいという子どもが増えてほしいと願います。
手法は写真ではなくても「そういう想い」でしている場所が近くにあるということが、子どもたちに素敵な未来を準備できる気がします。
収益も大事ではあるが、それ以上にお客様からたくさんのものを頂いています。これをメッセージにして返すことが大事だと思います。
自分のスタイルを信じて、今まで行動してきたら上手く進んできました。計算してするよりもDNAに身を任せて、体をすぐ動かすことが切り開いていくポイントだと思います。
石田 直之氏
(ism http://www.studio-ism.jp)
将来、子どもたちがこんな仕事をしたいと言ってもらえる職業にしたい。あのおっちゃんみたいになりたいと言われるようになりたい。この間、よく来てくださるお客様の子どもが首からカメラをかけておっちゃんみたいになりたいと言ってくれました。卒園式のときにはカメラマンになりたいと書いてくれたそうです。こういう話を聞くと今、こうしていてよかったな、楽しく生きていくというコンセプトが伝わったのかと嬉しく思います。
以前、雑誌対談の時に、「楽しく生きる」と聞くと、「アリとキリギリス」の物語りに出てくるキリギリスのようだと言われましたが、そうではなく「今、楽しい」を続けていくことによって何年後かに結果がでるはずと考えています。自分がしていることは自分しかわからない、僕の中の楽しい価値観です。ismが楽しいという状態を作ればそれを楽しいというお客様が集まり、結果、両想いで楽しいということになると思っています。
ismがいいと言ってくれる人に来てほしい、そういうお店を作りたいと考えています。
最後に、この対談に参加した感想を聞かせてください。
岡垣氏:
こうやって写真館の今や未来を、一つのコンピュータ画面で話している状態を5年前は想像できなかったことです。
ただ、想いを持つことは大切だと感じます。想うことによって人が集まってくると信じています。
沢山のフォトグラファーたちが集まって一つのメッセンジャーとして発信していけば、もっと世の中が良くなっていくと思います。
そうなれば、本当に嬉しいことです。
石田氏:
岡垣さんと5年前に出会い、今がある。さまざまな出会いがあって自分が成長していると感じます。
葉山さんとの出会いもこのタイミングで出会うべくして出会ったのだと思います。
一人だけ楽しくても楽しくない。ismのスタッフは家族であり、その家族も自分の家族も含めてみんなが楽しくないと意味がない。
同じ想いの人たちが集まると自分以上のパワーがでてもっと楽しくなる。だから今をやっていっているのだと思います。
所感(葉山 恒生 羅針ネット):
岡垣さん、石田さんの話を聞き、常にお客様と接しているときは全神経をお客様に向けて、お客様の要望を知ろうとされているのかな、またその要望をお店の作品、商品としていく力にもされているのかなと想像しました。
さらに、お客様とは一緒に時間を楽しみ、それが写真に表現され、スタッフにも伝わり、ホームページにも伝えられている。二つの写真館とも遠方よりお客様が来られると聞きます。
口コミやインターネットを通じたネットコミなどから、お客様は写真館を訪れる前から楽しみにされており、温かいスタッフに迎えられて空間をも楽しむことができる。
お客様は想像していた以上に、写真館からのメッセージまで込められた作品を素晴らしい価値あるものとして受け取る。素晴らしい人の繋がりを生み出しておられると感じました。
一切認めていませんので、ご了承ください。