『お客様と繋がる写真館スタッフ』
葉山:
実際にお二人のスタジオがお客様といい関係を作れるのはお客様との繋がりを重視されているからこそだと思いますが、すべてのお客様がお二人だけではなく、写真館のスタッフを通じてお話されることが多いと思います。
そこで、スタッフを通じてお客様に話したり、お客様の言葉をスタッフ通じて知ったりするなど、写真館スタッフに何を求めているかお聞きしたいです。
岡垣氏:
スタッフも含め、今話しをしている葉山さんや石田さんもそうですが、すべての人たちも人間対人間として対等だと考えています。
スタッフにも家族がいて、家族にも友人がいて、さまざまな人の繋がりがあり、その代表として仕事をしていたりします。
スタッフだからこうあるべきとは考えず、このお客様とは一回きりだからというサービスではなく、どの様にしたらお客様に嬉しくなってもらえるのか考えて接してほしいと話しています。
メニューにないメニューがお客様から提案があった場合は、なるべくアレンジをして応えてあげるようにしてほしいと思っています。
枠にはめず、お客様が求めているものを理解する能力・考える能力を雑誌や業界紙に目を通して勉強してほしいと伝えています。
これからデジタルの仕組みが世の中に浸透していくなかで、写真館だから写真館の領域だけを勉強すればいいわけではなく、さまざまなメディアがリンクして繋がっていくように色々な人との出会いを楽しんでほしいと思っています。あとは、ある程度自由にしてほしいとスタッフには伝えています。
石田氏:
ism
ismではスタッフは8名程度ですが、ほとんどが女性です。
私がスタッフ教育として一番伝えていることは「スタッフ自ら楽しんでほしい」ということです。一度しかない人生でここへ来たという想いは、しんどいことをするなら時間が無駄である。仕事の時間は人生の中で大きな時間の割合を占めるため、とにかく楽しむということを前提に働いてほしい。楽しくないのは、「何故楽しんでいないのか」を考えてほしいと伝えています。
楽しくこのスタジオで皆成長していくことが、ismのコンセプトです。
例えば、自分が食事をしたり、服を購入するとした場合、好きなお店には必ず、気配りや気遣いする人がいるはず。ただ食事が美味しいから行くのではなく、大切なのはそこに誰がいるのかということです。そういった部分をスタッフも担っている。
「スタッフの○○さんがいるから」だから、あそこのお店に行きたいと思って貰えるようなお店に したい。
ismは他の子ども写真館に比べれば安くないかもしれない。ただ、その金額に見合った対応、気配り、気遣いを含めて「大事な記念写真だからこの店 にしてよかった。あれだけしてもらえれば安かったね。」とお客様から言ってもらえるお店にしたいと思っています。
岡垣氏:
出雲大社の近くという立地条件から観光客から得意様まで、さまざまなお客様が来られ接客しています。写真を撮られるお客様もいれば、電池を購入される方もいます。
あるお客様にはいい顔をして、他の方には違った対応をするのではなく、今回は電池の購入のみで来店された方でも、ひょっとすると次は写真を撮影するために来店されたりするかもしれない。必ずどこかで人の想いは繋がっていくと思っています。
先ほど石田さんが言われたように、スタッフに仕事を楽しんでもらう、または楽しくないのであれば「何故、それが楽しくないのか」と考える時間を作ってあげるゆとりも必要だと考えています。